「接見禁止が途切れてしまうじゃないですか?」
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接見禁止にはしばしば期限が付くことがあります。
通常,「第1回公判期日まで」とされます。
ところが,第1回公判期日終了後,接見禁止をさらに請求してくることもあります。
これじたいはそこまで珍しいことではありません。
しかし,未だに納得していない事件があります。
第1回公判期日が16時頃に終わって,事務所に帰宅していた際中でした。17時45分頃,裁判所から「接見禁止決定をした。」との電話がありました。どうやら16時30分頃に検察官から接見禁止を延長するよう請求がなされたようです。
ちなみに,裁判所は対外的には17時で業務終了です。
延長されるかもしれないと視野には入れつつも,第1回公判期日後に接見禁止をする理由もないと考えていたから,少し驚きました。
すぐさま「いまから接見禁止解除申立書を出すので受け取ってください」と申し出ました。金曜日だったので,ここで申立てをしなければ,週明けまで接見禁止が付されたままになるからです。
ところが,「17時を超えているので,受け付けることができません。」と機械的な回答が返ってきました。
たしかに,16時30分ごろに提出したのだから検察官の請求は適法です。しかし,17時で業務終了という理由で反論を許さないのは一貫しません。「裁判所の業務は17時で終了していないといけないならば,決定じたいが17時を超える限り,後日に回すべきだ。」と食い下がりました。
ここで書記官は言います。「接見禁止が途切れてしまうじゃないですか?」と。裁判所が接見禁止を当日中に行わないと,月曜日午前まで接見ができる状態になってしまうということでしょう。
確かに,窓口時間を経過しているから請求を受け付けないという論もありましょう。しかし,その場合,決定が17時45分に出されている以上,当日中に接見禁止解除申立てができないことは織り込み済みとなります。いわば,防御の機会を奪うことが織り込み済みの決定をすることとなります。
弁護人には依頼者の周囲の支援者との面会権の方が,接見禁止が途切れる「スキマ」より優先度が高いと思えますが・・・・。弁護人と裁判所には広大な隙間があるようです。